黒沢輝夫・下田栄子 舞踊公演 「まだ踊る」
2010年5月15日(日)18:00 @横浜赤レンガ倉庫
「まだ踊る」というあまりにストレートなタイトルに心がおどる。
若い頃は父や母のダンス仕込みに反発していた美香さんが、パパママのためにこんなにすてきな公演を作り上げた。
http://www.k5.dion.ne.jp/~kurosawa/
日本の舞踊の独特の歴史はようわからんけれど、うちわだけで進展していくことで満足していることが多そうな業界でこんなことができるのは驚きだ。
黒沢輝夫、下田栄子、両人のダンスはよく知っているけれど美香さんや美香ダンサーズは見たことないという人、あるいはその逆の人、そういうひとがわらわらと集まっていたようだ。ぼくは、美香さんとお父さんの「山に登る」はかろうじて見たことがあったけれど、お母さんの踊りは初めて見た。お母さんとは、公演会場や綱島のスタジオで何度もお目にかかっているし、美香さんのインタビュー記事を書いたときには、こんなことまで書いてくれたんですねと、たしなめられたこともあったけれど、踊る姿を見るのは初めて。話に聞くばかりで、もう見ることはないのかなと思っていた。
もちろん写真の中で見るような跳びはねる姿はもう見ることはできないけれど、それは80すぎのお父さんと喜寿を迎えたお母さんなんだからあたりまえ。
いつもハデなお母さんが、それをうわまわるハデな着物で、見てごらん! ってな感じで登場したのにはおそれいった。
お父さんは、負けじと金粉ショー! ああ、なつかしき金粉ショー・・・なんていう感傷にひたる前にオレを見ろ! とお父さんは観客をキッと見据えていた。
お母さんの背中のたゆたい、お父さんの繊細な手の動き、圧倒されました。ふだんは現代舞踊協会系の作品はほとんど見ないけれど、美香さんのお父さんとお母さんは別格。
発見があった。
美香ダンサーズの作品の「mode'n dance」、モーツァルトの40番でダンサーたちがせわしなく動くすてきな作品。もう何度も何バージョンも見ているけれど、今回は堀江君を筆頭にして4人だけ。大好きな作品がまたふくらんだ・・・それはいいとして、その前に、お母さんの下田栄子さんの振付作品で幅田彩加さんが踊った「闇に歌声」という踊りがあって、そこに「mode'n dance」の振りがいくつも現れていてびっくりした。
手を四角形に休息に動かして空間を切る仕草、手を顔に当てる仕草(これは冒頭の子供たちにもあったな)、それにキュッととまってタイミングをはかる動作・・・・・あ、お母さんの動きが美香さんの作品にいくつも現れているのが驚き。
美香さんの作品はパロディなのだろうか、あるいはディコンストラクション?
そのふところまで入り込んで、その論理を徹底させてしまいには破壊させてしまうディコンストラクション?
お父さんの動きにも、ああこれは美香さんの動きに通じるものがあるなあと思ったところがいくつもあった。
美香さんは現代舞踊という日本のまか不思議なダンス制度の中から生まれたデリダなのだろうか・・・
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